皆さんお久し振りです、私の事を覚えておられますか?なんてね。
ここで最後に私の責任に於いて書いたのがほぼ三か月前でした、その間実に色々公私共々あり過ぎて最早感想もコメントも書き様が無い程です。まぁロシアの愚連隊の反乱の件は、時代錯誤の独裁者と飼い犬の分際を弁えない狂犬の潰し合いにならず、ちょっと残念でしたが…

勿論仕事の方は毎日真摯に取り組んで居ましたよ、毎晩午前様の連続。その山盛りの頂戴した作成作業中の優専順位に於いて、どうしてもここに顔を出す事が出来なかったのです。現に今も目の前にお客様の依頼で作成中のケーブルや必要とする工具類が眼前に散らばって居ますが、流石に心身疲れ気味の現状で納品レベルを維持し続けての作業に自信が無くなったので、一旦工具を握る手を休めて使う頭の部分が違うコチラに越して来た次第です。

 

 

写真はお客様の御依頼で作成したRCA-XLRケーブルです。以前此方にてこの手の変換ケーブルの蘊蓄を長ったらしく延々と書き連ねた事が有りましたが、そちらを目にされた、当店からするとかなりの遠方の地の方から問い合わせを頂き作成の運びとなりました、嬉しいですよね。
今回作製したケーブルの構造は、上流にアースラインを分岐したRCAで、下流にはそのアースラインをXLR端子の1番に流し、2番をホット3番をコールドとした、察しの良い方にはもうお判りでしょうが最近あちこちで人気の、レコードプレーヤーからの出力をバランス伝送のままトランスで受け取る為のケーブルで、お客様はその接続概念を市場に最初に提唱したと思われるフェーズメーションのトランスを最近入手したのだそうで、是非一度バランス接続を試してみたかったのですが、なかなか適当なケーブルに巡り会えなかったそうです。
使用した線材は、当店がお得意様向けに虎の子扱いで握っている貴重な在庫、米軍規格のMILグレード線の2芯シールドタイプ。コットンは選べる11色から薄紫/藤色をお客様より指名を頂き、元々コットンを被せる予定の無かったアース線部分は今回私の勝手な判断でミントグリーンを用いての挿し色です、お客様が喜んでくれると良いのだけど…
尚このMIL規格線を用いたRCAケーブルは現在WEBショップの方からは引き揚げてあります、理由はこの線材の在庫の確保が今後極めて難しく、仕上がり価格(RCA-RCA/コットン巻仕様1.0mPairで17,800円税込、*10cm増減ごとに580円の加減算)の割に非常に高い評価を頂けるこの線はお得意様用と言う事で、基本的に店頭来店及び当ブログを目にされた方にお分けする形です。勿論今回の様な使用目的に応じた変則型や自由な長さに於いての作製も承れます、例えば今回の様な片側をXLRにした上で(それだけならばほぼ標準形態からの価格変更有りません)RCA側に対してアース線を取り出した上で長さが1.2mペアならば23,000円程となります。
蛇足ながら上記のカッコ内の計算をしてみて『両端RCAの1.2mPairならば18,960円の計算だろ?お前少し取り過ぎじゃん』って思ったあなた、このアース取り出しが想いのほか手間が掛かるのですよ…
その辺の事情も含めて尚、当店の手仕事のケーブルに興味を抱いて下さった方は是非お問合せ下さいませ、店頭でお会いできなくてもこんな所に目を通して下さり興味を持って私達に電話を下さる方は、遠方であれ十分でんき堂にとってのお得意様たる資質をお持ちの方々です。貴重なMIL規格線での作成も喜んで承ります。

 

 

さて、メインの話は以上ですが後少し当店のアピールと一部の方に人気のクダ巻きです。
写真はごく普通にDENONのDL-103を普通に組んだ姿で今更何も目新しい所は無いのですが、目新しくなくも60年に亘って堅実に作り続けられ今尚現役にして一線級の実力を維持するオーディオ業界の奇跡の存在たるDL-103の特集記事が、7/3発売の音元出版『季刊 analog Vol.80 夏号 』に掲載されるにあたり、有難くも私にも声が掛かって居並ぶ評論家先生や大家に交じって恥ずかしながら少しばかりの原稿を書きましたので、皆様も宜しければ是非手に取ってお目通しいただければ幸いです、勿論立ち読みとか言わず買ってあげて下さいね(笑)

閑話休題、そのDL-103を含めてアナログカートリッジは秋葉原の老舗でも超大型カメラ量販でも、同業他社との差別化箔付け等の経営者のほぼエゴ同然の理由からの無理やり展開している家電量販店のオーディオコーナー等でも購入はどなたでも可能です。
ただ、先に述べた誌面でも書かせて頂いたのですが、どこで買おうとモノ自体に変わりは有りませんが、アナログカートリッジは特に繊細な物であり、適切な取り付けと調整を経てのみ初めてその性能を甘受出来る製品です。故に余程手練れでもない限りその取り付けはプロに任せれば良いのです。自動車のタイヤ交換やエアコンの取り付けを購入した店に於いて専門家に任せるのと同じ程度の話ですが、その当たり前が全く出来ないにも関わらず、アナログカートリッジを無見識に売り散らかす販売店の余りの多さが目立ったのがこのブログも書けない忙しさの3か月間の一つの理由でもありました。
ある方は基本的にカートリッジの取り付けお断りの方針を大きく掲げる超大型カメラ量販店で購入したカートリッジを、それでもと頼み込んで付けて貰った迄は良かったですが、リード線左右逆付の状態で当店に泣き入れてこられました。ある方は『当社はメーカーのヘルパーに頼らず接客ナンバーワンの専門性』等と訳の分からん事をのたまう神●川県を基盤とする大型家電量販のオーディオコーナーで、カートリッジにリード線、シェルの装着を依頼したら30分待たされた上で『やっぱダメでした』と断られて、呆れて踵を返してそのまま電車乗って当店にいらっしゃいました。たまたまその竜頭蛇尾な専門性を掲げるオーディオコーナを内包する家電量販店の入る大型モールの新幹線も停まる最寄り駅が、最近相鉄東急乗り入れ開始で当店のある湘南台駅まで乗り換え不要になったのが唯一の不幸中の幸いと言った程度の話ですね。
ある方は、誰もが慄く秋葉原の超々高級店で購入して組んで貰った超高級アナログプレーヤーに、当店で組んだカートリッジをお客様よりの御依頼でアームに据え音出しする為に1時間ちょっとばかり電車乗って出かけて見れば、なんとアームの取り付け位置が40㎜もズレてると言うより既に根本的にアームの取り付け方を勘違いして居る人間が組んだのが一目でわかる悲惨な状況の尻拭きの担当と言った具合です。そもそもアームの取り付け位置が4㎜ズレていれば既に事故であり問題外な訳で、許せて誤差1㎜ちょっとなアームの取り付け位置において40㎜ズレてるとかはもう論外なので、あまりのやらかしっぷりに当初お客様を疑ってしまったくらいですが、間違いなくそこの超高級店の店員さんのセッティングであると伺うに、超高級専門店でもこういったミスもあり得るので、その手の高級店に格でも知名度でも実績でも遥かに及ばない私等は、せめてオーディオの基本中の基本たるアナログカートリッジやアームの正しい取り付け程度は、これはもう精々気を付けねばならないねと改まって我が身の行動を振り返った次第です。

 

なんてしょうもない事書き連ねているうちに丑三つ時、2時ですよ、帰ろっと…

 

超高級店でも超大型店でも有りませんが、私でお役に立つならば…→0466-20-5223