皆様今晩は

除虫菊より作られし渦巻状の虫除け線香のCMじゃありませんが、まさに『日本の夏、異常な夏』ってな塩梅の、暑いは熱いはオマケにコロナだはって具合の狂ったような熱波地獄の毎日を皆様如何お過ごしですか?
一介のオーディオや風情が何を案じたとて大した慰みにもなりませんが、精々皆様健康に留意して、この難儀な毎日をお過ごし下さいませ。

さてお仕事

 

 

先月初頭に発売されました音元出版『analog』Vol.68夏号にて、当店の紹介を頂きました。その内容自体は以前より当店ご利用のお客様方にはお馴染の物でしたが、やはりこういったメディアの力と言うのは未だに健在と言うと失礼かな、ともあれ当店が提案しているDENON DL103をより愉しむ幾つかの提案に再び光が当たったお陰で、ここ暫くそれらの依頼を数多く頂戴致しました。素直に嬉しいですね、ご注文下さった皆様にも雑誌をご覧下さった方々にも心よりお礼申し上げます。
今まで再三コチラでも紹介して来た内容ですが、一通りご覧下さいませ。

 

 

こちらはDL103系列のボディを剥ぎ取り専用のアルミ削り出しベースに据えてその性能を極限まで特化したネイキッド仕様です。高精細高解像度高分解かつストレスのない高域の伸び具合に広い音場再現力と、黙って再生すれば誰もそれがDL103とは俄かに信じられない仕様です。
お陰さまで相当数のこの仕様への依頼を頂戴して来ましたが、正直言ってその音楽再現性以外は全く持って危険極まりない仕様で極めて脆く脆弱です。趣味のオーディオの更に趣味的遊びと捉えられる大人の皆さま以外には決してお勧め致しません、が、当店の提供するDL103に対してのメニューの中では、少なくとも再生音では最も人気が高いのも確かです。
今回はお客様手持ちのDL-103LCと言う、現在のDL-103Rに繋がる40年ほど以前の針への施術でした。シェルもリード線もお持ち込みで、それぞれテクニカのショートシェル、KS-Remastaを配しました。

 

 

コチラはDL-103を細密な加工技術で作成した木製ボディに換装した仕様です。『欅』(けやき)と『榧』(かや)の二種類が選べます。今回のご依頼、即ち写真に写るは榧仕様で、相性の良い柘植のシェルと組み合わせました。
その音楽再現傾向は先程のネイキッドとは対極と言っても良い物で、聴き疲れのない温かみのある響き具合がとても心地よく、電気系も振動系も弄らなずただボディを変更しただけでどうしてこうも傾向の違った音が愉しめるのかと企画した私自身が不思議に思っています。
因みに同じ木製でも榧と欅ではその材の違い、密度の違いで同じ木とは言えやはり音楽再現傾向に違いがあり、濃厚で厚みのある響きと深い低音を愉しませる『欅』ボディに対して、明るく清楚で弾みのある『榧』ボディとご理解頂ければ良いかと思います。尚、店頭での今までの出荷状況では、『欅』6対『榧』4の割合でのご支持を頂戴しております。

 

 

最後は当店のDL-103メニューでは最も知名度の高いと思われるアルミボディ仕様です。精密加工が得意な金属加工業者さんの協力を得て、オリジナルDL-103の樹脂ボディと寸分違わぬサイズでアルミブロックから削り出しました。
それに換装したDL103は音も姿も実に見ての通りの剛性の高い物であって、盤溝から取り出せる限りの音圧と低域を眼前に展開させるかの鳴りっぷりは、未だにこの仕様の注文が最も数が多い事にも現れています。

以上、当店の提供する3タイプのDL-103を素とした愉しみを紹介致しましたが、はっきりと言えるのは、この開発以来60年近い月日の経つMCカートリッジの基本性能の確かさですね。素のまま使うもよし、御紹介した様な遊び方もよし、ともあれ、いつまでも作り続けて欲しいと願わずにはいられないですよね。

 

DL-103のまだ知らぬポテンシャルを追求してみたい→0466-20-5223