明さん今晩は

最近恐ろしい勢いでカートリッジの多種展開を仕掛けるオーディオテクニカから、今回新たに2種類の興味深い高級MCカートリッジ、AT-ART9XI及びAT-ART9XAが発表されました。

 

 

外見上は双方同じシルエットで、価格も共に税込165,000円のこのカートリッジは、主にその内部での使用素材と針先形状選択での音楽的表現の狙いに差を設けるべく企画された様子です。
一般的なオーディオ製品が同一シリーズ中に於いては、大概が松竹梅的な価格/内容に段階付けられた展開がされる事が多い中、今回の製品に関しては先に述べたように同じ価格設定での発表で、見ようによっては完全に双方が同じ市場を喰いあう形なのですが、規模の大きなテクニカからすればこのクラスに選択肢を二つ用意する事で、他社を含めた同一価格帯でのシェア面での優位性に繋がるのだろうなとも思います。
それにしてもこんな高価なクラスでましてや同じブランドの針が二種類揃い、そこから一般的には一つを選んで購入するとなると、相当迷うだろうなと容易に想像がつきます。
大きな差は特殊ラインコンタクト針採用で鉄芯型の9XI、シバタ針採用で空芯型の9XA、カンチレバーは双方共に0.28mmソリッドボロンカンチレバーで出力電圧が前者が0.5mV、後者が0.2mVとなっております。これはもう完全に性能差ではなく、好みの差しか存在しない製品設定で、正直言ってどっちがいいかなんて少なくとも私には答えようが御座いません。
よってこの度『でんき堂』としてはメーカーの協力も得ながら、写真の様に限りなく同じ条件で比較出来る状態で両者を試聴用と用意させて頂きましたので、購入に当たっての最後の自身の嗜好の確認に、聴き慣れたディスクをご持参なさって耳を傾けるのも宜しいかと思います。
私も時間を見て両者を聴き比べて、せめて自分の好みくらいはどちらか言えるようにしたいと考えています。

 

オーディオテクニカのMCカートリッジなら→0466-20-5223