12月も半ばに入り掛け、ちゃんと冬らしい寒さになりましたね。寒いのは私も好きではありませんが、季節外れの夏日の様な、冬が冬らしくない環境破壊的光景はもっと好きになれません。せいぜい自然のサイクルには逆らわず、風邪などひかぬようにすごしましょうね。
先日QEDのXTCケーブルに対して持ち込みにてAIRLOC処理(上記写真)をさせて頂いたお客様より、コメントを頂戴いたしましたので承諾を得て掲載致します。個人情報以外はそのまま掲載させて頂きました、QED AIRLOCをご検討の方への参考になれば幸いです。

 

端的に言えば、素晴らしいの一言です。
「高音(或いは低音)が…」「音の広がりが…」「定位が…」
聞こえてくる音楽の部分的な要素がどうのこうのでは無く、それら全ての要素が一度に底上げされたと感じています。
 「以前よりボリュームを大きくしたように聞こえる」
と表現されたお客さまがいるようですが、当方もそのように感じました。静かな部分は、より静かに。 ダイナミックな部分は、よりダイナミックに。響く部分は、より響き、収束する部分は、ピタリと止まる。これだけ、素晴らしい音楽性に富んだ変化を享受しつつも、線材そのものを変えた時にありがちな
「○○は良くなったが、○○は前の方が…」
の様な副作用(的)なものは、まったく有りません。オーディオケーブルの末端処理の重要性と有効性を思い知るには、十二分の結果でした。改めて、素晴らしい作業をして頂いた事に感謝致します。こうなってくると、ほぼ自作品がすべての電源ケーブルに関しても、御社で加工して頂きたいとの思いが一層強くなりました。
 今月末にはお願いする事になると思いますが、その際は、また相談にのって頂ければ幸いです。

 

さて、そんな声にすっかり気を良くした普段の言動の割には脳構造が単純な店主は、今日も元気にケーブル作成作業です。

今回はこちらでも時折登場いただく、QED Signature Genesis Silver Spiral と言う、性能も価格も弩級の高級スピーカーケーブルへのAIRLOC処理です。
世の中には実に不思議なお店が存在する物で、このAIRLOC処理前提で造られたケーブルを、販売だけはして以降の必要な処理には関わりたがらない、或いは関わる気もない、或いはその必要すら知らない、必要を理解できない販売店があるそうなのです。今回はそういったお店でこのケーブルを、あくまでも高級なケーブルとして購入し、普通に剥いてといっても、剥くだけでもとんでもない手間と労力と技術が必要な大変なケーブルなのですが、とにかく剥いて捩ってそのまま使っていたお客様よりその存在、即ちAIRLOC処理をお知りなって当店への持ち込みに於いてのAIRLOC端末処理です。
因みに当ケーブルに限らず、でんき堂スクェアはお客様持ち込みのケーブルの端末処理も大歓迎ですので、自社で販売したケーブルでさへ剥く事を社員に対して禁じている様な超大型カメラ量販店(←元社員より直に伺った実話なので間違いないでしょう、サービスでお客様の為にケーブル剥いて差し上げたら、後で上長に呼び出されて、余計なする暇あったら仕事しろって激怒されたんだとか。オーディオ販売のスタッフがお客様の為にケーブル剥くのが余計な仕事だったら、ここにいる意味無いって感じて、今は違う会社でオーディオに携わっているそうです)で購ったお品でも遠慮なく相談、お持ち込み下さいな。

閑話休題

ともあれ作業開始です。当ケーブルはホースの様な実際水道ホース同等の外皮の中に二本のケーブルが入っていて更に各ケーブル毎に9本の線材が各々被覆を纏って収まっているので、左右ペア両端末を剥きだすのに総計84回の端末剥きだし作業が待ち受けています。写真は途中経過です。外皮内皮と剥き進み、最内皮を被った状態の芯線を9本揃えた所です。各線は大変に細い撚り線の為、ここからの剥き作業はそれまで以上の細心の注意を払った作業を求められます。

 

 

下の写真は処理前のお客様自ら剥いた状態の写真です、苦労の跡が伺えますが、このまま使ってもなかなかこのケーブルが本来約束する性能はなかなか得られない物です。また、私自身はこの作業は本来お客様自身が行わなければいけないとは考えていません。自動車のタイヤを正確に組むのは専門家の作業であるように、このクラスのケーブルを正確に組むのはやはりプロが存在する専門店の領域だと思われます。

 

 

こちらが諸々の作業を終えて完成した姿です、私でも通常ケーブルのAIRLOC処理の数倍の時間と労力を頂く内容なので、平常作業よりは追加料金を頂戴しております。それでも、魅力的な仕上がりに感じませんか?
如何でしょうか。先に紹介させて頂いたお客様の様に、今回処理させて頂いたお客さまからもどういった感想を頂戴頂けるのか楽しみにしているところです。

 

 

AIRLOC両端末8箇所基本作業工賃、写真のABSバナナプラグの場合21,600円、上記の様な特別手間の掛るケーブルは一部追加料金が必要→0466-20-5223