年の瀬です、結構慌ただしいですよね、皆さん。私の関わるHifiオーディオ業界は瀕死の状況ですが・・・
そんななか、元来仕事の順序立てが苦手な私は、業界の動向や景気に関わらず相変わらずバタバタしています。ことの詳細は後日改めますが、お客様にSMEのアームを移植した上で納品するクリアオーディオのアナログプレーヤーの整備を、大好きなSME付けられるとあって鼻歌交じりにしてたら突如気が付いた

「うわぁっ、このSMEベース、クリアランス全然内側にないから標準ケーブルつかないじゃん!」

何言ってんだか分かんない方が大概でしょうが、ある時からSMEはアームケーブルを専用端子を改め国際標準なRCA端子に切り替えたのですが、その出し方がアームの根元から横出しなんですよね。型番の末尾にRが付く(3009Rとか)のは大概そうだし、「かつて」の取り扱い元の改造メニューでも旧来品に対してそれを行っていたので、かなりの数のSMEアームがRCA端子横出しです。それでプレーヤー側にはSME対応のアームベースを付ける際には大きく穴掘って楕円形のベースプレートが付くのですが、今回のプレーヤーはその元穴がタイト。要するにRCAプラグが当たって横向きにアームにささらない、困った。
ただ単にL字型のRCA端子持ったケーブル奢ればよいのか?と言うとコレがまた全然違う話で(それさえ滅多にないですがね・・・)、SMEのフォノケーブルはアースの取り回しが独自の考え方なので、適当な信号線では対応しきれないんですよね。そう言った時の為に現在流通しているSMEアームには予めL字型変換プラグが同梱されている様なのですが、今回はお客様が以前使っていたプレーヤーからのアーム移植、つまりターンテーブルのみ買い替えのアームコンバートです。で、前使用モデルは変換せずにプラグが挿せる余裕があった構造。納品期日は近いから変換プラグなど用立てて居られないと言うか、そもそもSMEの扱い元だったハーマンが新経営者の大変御立派な新たなオーディオブランド販売方針の元に、こう言ったオーディオを愛すユーザーの為になる物を営業共々徹底して排斥して下さったので、今更入手なんか出来っこない。おまけにそのSMEが先日輸入元変更があって、今度はそっちは旧品のメンテナンスやサポートはほぼブッチ(要するにオラァしんネ~よって感じ)状態。お陰で日本全国オーディオ関係各社元ハーマンみたいな状況ですがそれはさておき、お客様との約束は約束、務めは務め、こんな事もあろうかとヤマトの真田さんばりに取り出したswitchcraftの国内ではあまり見掛けないL字型端子と、でんき堂スクェアお得意の米軍御用達MIL規格線を用意して本来のSME標準ケーブルと全く同じ配線構造で専用フォノケーブルを真夜中に緊急作製致しました。
あがったこの線を早速装着してアームのセットアップも済ませた所、収まり具合は大変良好、そしてその音は格段の鳴り映え。実はSMEはその線構造故に無闇に市販の高級ケーブルにすげ変えてもハムその他の問題で、端末クリアランスに問題が無くてもなかなか上手くいかず、オーディオ趣味的意味でのケーブル交換を体感し難いアームだったのですが、瓢箪から駒と言うか、このちょっとした緊急事態を奇貨として、私達のオリジナルMIL規格ケーブルのラインナップに、新たにSME用RCAタイプL型取り出しケーブルを加える事が出来るようになりましたので新たにご案内致します。ただし、主にアース線の取り回しに纏わる製作の手間や使用プラグの細かな手直しが多岐に渡るので、通常のオリジナルケーブルに比べれば少々価格は張りましたが、世間一般の高級フォノケーブルからすれば大分お買い得に出来ているとも思いますよ。長さは1.25mです。

 

 

尚、信号の性格上この部分はあまり長いのはお勧めできませんが、どうしてもと言われる方には1.5mまでは応じたいと考えています。短い方は問題無いですが、SMEアームの横出しはそれ故に自由な方向にケーブルが取り出せないので、短すぎてもやはり接続には使い難いと思われます。慎重に自らのシステムの設置状況を御判断の上にそういった特殊ケースはオーダー下さいませ。また、最近フォノケーブルのバランス接続が一部で流行り出して来ていますので、今までSMEアーム故にそれに躊躇されていた方にも、時期を見てご案内が出来ると思います、お楽しみに。

でんき堂オリジナル、MIL規格線使用SME/RCAタイプ横出し用L型フォノケーブル1.25m、通称SMEホワイト

お値段23,800円税込み、別途1.3mのアーム用アース線1本付属、Y字型解放部分3.5mm及び4.0mm

長さ違いは都度ご相談下さいませ。

 

ご依頼はコチラ→0466-20-5223