今日から五月ですね、個人的に一番好きな月になりました。
そう言えば新しい元号を戴いてからも1年が経った訳ですね、月日の経過の早さと、自分達の生存半径における社会構造の脆さと人間社会の危うさを改めて思い知らせられる今日この頃ですね。
残念ながら自粛続きのGWですが、人間の経済活動が低下したのと引き換えに、ここ数年の異常気象傾向から僅かに脱したのか、気候は本来あるべき姿を取り戻し、五月晴れの空には非常に爽やかな風が吹き抜けています。
おおっぴらにお出かけできないのは残念ですが、ここはオーディオに携わる皆様には、じっくり腰を据えてレコード盤でも磨いて頂く良い機会になればと思います。

 

 

さてコチラ、当ブログでは初めての紹介になるかと思います。
山羊毛で誂えた、レコード盤用のブラシです。握り/柄にはホオノキ(モクレン科)を用いてあり、写真でお分かりになる様に極めて密度高く山羊毛が植えられています。
五代に渡って刷毛等のブラシ専門でやって来られた職人さんに頼み込んで作って貰っています。元々はこの職人さん自身が自らのレコード盤用にこさえておられていたようで、たまたまそれを見掛けた私が、かなり無理を言って当店に納めて貰うようになった経緯があるのですが、これが完全に手作りでかつ、この方には日本中から実に色々な各分野の職人さん方々から用途に応じた一品モノの刷毛やブラシの注文が入る為にとんでもなくお忙しい方で、月にどう頑張っても3~5個程度の製作がやっとの状況なのです。
故に今までは店頭のみの販売で、ご来店するお得意様を中心に紹介して来ていたのですが、私は10個も販売できれば嬉しいなとの思いだったのですが、それがなんと足掛け二年少々で100個。一頃は3~4か月もお待たせしていた時期もありましたが、昨年末で一応御予約の方の分は全て渡し終えられて、さてこれからやっとここにも紹介出来るかなと思っていた所、先方の諸般の都合もあって本年初入荷分が4月、均して考えると月一個ペースですね・・・

このブラシは非常に毛足も柔らかくまた濃密に植毛が施されていて、ビニール盤及びシェラックSP盤も含めたレコード盤に対して、今まで私が接して来たどのブラシよりも優しく、また驚くくらいの集塵力を見せてくれます。その辺の所は後程示しますが、山羊の毛な訳ですからある程度の取り扱い方があって、ブラシ自体は普段、風通しの良い所に起毛部を上向きに置いて欲しいと言う事です。また、決して濡らたり洗剤類を浸けては駄目で、もし毛先の汚れが気になった際には、目一杯硬く絞った布で優しく拭いて欲しいとの事でした。
このブラシは『ほうのき(モクレン科/広葉樹)』の柄に植毛されていて、職人さんによって真鍮釘が打たれた部分が握りに露出する訳で、勿論そこは綺麗に鑢(ヤスリ)をかけてあるのですが、それでも先に申しました様に起毛部を上向きに置いておくと言う事は、私も含めてどうしても皆さんはオーディオ機材の天面にこういった物を一時的であれ置く機会が多いと思うのですね。そこで考えを巡らしてと言う程でもないのですが、最近アナログアクセサリーで急速に頭角を現されているPHONOPHILEの高橋氏にお願いして、氏が扱いを得意とする革を張って貰いました。これで安心して皆さんの高価な機材の上にもこのブラシをおいて頂けるのではないでしょうか?
勿論無理して機材の上に置く必要は無いのですが、このブラシ自体を決して大事に箱の中等に仕舞い込んだり、毛先を下向きには置かないで下さいと言う事ですね。

 

 

今回4カ月ぶりに入荷した貴重なコチラは全部で五個、暗い世相を鑑み今回は気持ちだけでも明るくと思いまして、写真の様な華やかな色味の革を張って色違いの糸でステッチを施して貰いました。但し、左のワインレッド色が本日お客様に手渡されたので、5/1時点で残りは4個(追記:5/14完売致しました。またお分け出来る分入荷しましたらお知らせ致します。ご予約も承っておりますが納期は未定となっております)

 

でんき堂オリジナル 刷毛専門職人手製レコード用山羊毛ブラシ

全体サイズ(凡そ) 長さ126mm / 幅38mm / 高さ43mm(背面革張り含む) / 毛足の長さ約22mm

先方製作分出来上がり入荷次第限定販売品
予約分は、場合によっては4カ月待ち(今までの事例より)の可能性もあり、9,000円税込→0466-20-5223

 

さて、ここからはその実力・・・

 

 

写真は普段から店頭で試聴に用いているディスクです、一応光沢の載った綺麗な盤面ではあるのですが、こうやって丁寧にブラシがけを行うと左隅に向かって帯状に塵が集まっている姿が確認頂けますでしょうか。更にこれは写真では見えないのですが、目で見えるレベルの塵でなく、ブラッシングを円周状に重ねて行くと薄く更にパウダー状の帯が現れます。
初めてコレを目にした時に私は驚いてしまい、様々なオーディオ/レコード用ブラシでは掻き集められなかったレベルの、即ち一通りそれらのブラシで綺麗になったと思われたディスクに、この山羊毛のブラシを当てると更にまだまだ現れるその帯状の埃と言うか塵芥に怖れをなし、いったい何時まで擦ればいいんだ?もしかしたらこれは千切れたブラシの毛先なのではないのか?との恐慌に駆られて顕微鏡で覗きましたですよ。

 

 

はい、コチラ、夜空の天の川(今時天の川なんか見た人も少ないか・・・)ではありません。盤面上に綺羅星のごとく輝くのは、この山羊毛ブラシで擦って寄せた所の拡大写真です。顕微鏡で30倍、確かに毛先っぽいのもありましたが、ほぼ微粒子です。つまりあらゆる埃や塵の素ですね。
で、この状態になって、このブラシを求めたお客様方にも言われ私自身も散々試したのですが、効率よく埃や塵が集まったまでは良いのですが、これらを盤面から引き剥がせない、困った。既存のベルベット状なブラシでなぞろうものなら伸びてしまって逆効果だし、絞ったガーゼでも取りきれない。エアダスターで吹いて見ても軽い毛埃系は飛んでも粒子状物質は残ってしまうのです、そこで・・・

 

 

最後はやっぱりコレでしょう、中電/CHUDENの粘着式ローラークリーナー CD-RCBK 5,500円税込です。
粘着上のローラーを盤面に押し当て転がし、何もかもを転がる雪だるま式にこそげとります。ローラー自体は軟性素材でそれ自体に粘着力の再現性があるので、ある程度埃にまみれたら、ぬるま湯で洗って乾かせば何度でも使えます。古くから存在する方式の製品ではありますが、昨年『中電(どっかの電力会社にあらず)』が発表したコチラが今の所、粘度、盤面への密着度、優しさと手にした際の使用サイズ感も含めて、現時点考えられる限一番良い製品かと思います。
故に、今回ご紹介した山羊毛ブラシをご入用の際には是非コチラの粘着ローラーも併せて御用命くださいませ、集塵力と回収性の揃ったベストの組み合わせになると思いますよ。

 

 

さて、コチラの写真は山羊毛ブラシを通した後の部分の顕微鏡拡大写真です。かなりの効率で綺麗に出来てます、今までの色々なブラシではなかなかココまではいかない物ですよ。因みに先程の粘着ローラーはまだ当てていない状態です。目視では全く綺麗な盤面も、ここまで拡大すれば色々見えてしまう物で、最早音には関係ないレベルの物も見えてしまうと気になってしまう物ですが、所謂『見なきゃ良かった』って奴ですね。おいしい牡蠣鍋の牡蠣を態々半分に咬み千切って腸なぞ覗かなきゃいいって訳なのですが、まぁ見ちゃったものは仕方ありません。じゃぁどうするか、勿論この後粘着ローラーを当ててもう少し綺麗にはなります。ここまでは聴く都度の日常的に行える盤面への労わりだとまずご理解して次の写真をご覧下さいね。

 

 

さて、どうでしょう、レコードの溝が綺麗に見えていますね。
私もこれを目にした時は驚きました、思わず『やるな、Y田』とうちのスタッフの名前を呟きました、最近富に進捗著しい当店の若いレコード磨き職人です。
先程まで紹介したのはブラシとローラーを用いた日常的なメンテナンスだと書きましたが、コチラは根本的クリーニングです。
まず盤自体の状態を確認してから浴槽型超音波清浄機に浸して盤を5分間回転させて、次に超音波ブラシで盤面全体に渡って溝から汚れを掻き出す作業を行った後に、バキュームタイプの洗浄機に掛け直して水分を粗方取り除き更にガーゼで入念に拭きあげる作業です。尚、磨き時に用いるレコード洗浄液には当店は基本的にアルコールを含有した物は用いておりません。
それら専用機材を用いるとは言え結局は大半が手作業となり一枚辺りに結構な労力とお時間を頂戴するので、盤自体をお預かりとなる事が多いのですが、当店では良く依頼を受ける作業です。1枚800円、安いか高いかは、一度ご自身で盤面を磨いた事のある方ならお分かりになられると思いますよ・・・

尚、写真上の等間隔の白い点々は擦り傷です。レコード盤溝凸部に生じているので、この程度なら大したノイズには繋がりませんが、やはりここまで拡大して見えるとドキリとしますね。また黒い線は顕微鏡内の基準線や数値です。

尚既存LP盤とは根本的に材質の異なるSP盤はクリーニング対象外ですのでご了承くださいませ。また、当店スタッフが触るのに怖れを為す様な超希少盤や高価な盤はお預かりできない場合も御座います。

 

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→0466-20-5223

それでも取りきれないなら磨きを依頼してみよう!
ただし、コロナ自粛状況下なのでご来店はお客様の慎重な判断でどうぞ
→0466-20-5223