IMG_20160702_115830

 

今日のお仕事シリーズ

お客様のご依頼で、DENON DL-102モノラルカートリッジに、ベルドリーム製の専用リード線を介してテクニカの標準的シェルMG-10に装着しました。
今回はお客様の使われるプレーヤーが判って居たのでシェル基部より針先を54mm近似値に設定。

IMG_20160702_115937

 

写真は納品前に行う音出し確認をしている姿と、針先の顕微鏡拡大写真です。顕微鏡は対物3倍、接眼レンズ10倍での画ですね、あまり見掛ける機会ないでしょう?
取付完了後、確認の為に再生したディスクを、DL-102らしくスケール大きな鳴り具合で聴く事が出来ました。

でんき堂スクェアでは、お客様希望の針をカートリッジ、シェル双方が対応可能な範囲で全てのお好きな組み合わせで装着致します。その際に針先位置の指定も行います。距離が不明であったり指定が無い場合には、一般的な50mm~52mmの範囲に収めて皆様の手元へ納めます。
アナログカートリッジ購入時に同時にお好きなシェルを指定頂く、高音質を狙っての積極的なリード線の変更、スペーサーを手挟む、なんでも申し付け下さい。勿論、現在お使いのカートリッジ&シェルのリード線のみの交換や、シェル交換、或いはカートリッジの着け替えも遠慮なく申し付け下さいませ。店頭に安全にお持ち込み頂く、或いは遠方の方は一度電話を頂戴したうえで十分な打ち合わせをさせて頂き、確実な手段で送って頂ければ対応致します。

一二昔前ならば、鼻歌交じりに針の交換位朝飯前で行う、ある程度腕のあるオーディオショップ等日本各地各町に一軒は有ったのでしょうが、現在そういったお店は絶滅危惧種指定寸前です。
世の中はアナログブームとやらで、実際にそれが何であるかを良く理解しない大きな規模の家電系メーカーが、彼らの昵懇とする大型量販店店頭でそれらを満足に触れもしない様な店員の半端な説明を介して、価格だけは安くしてアナログ機器を売り飛ばしているようですが、アナログ機材は適切な設定と操作が伴って初めて本来の姿を楽しめます。買って帰ってプラグ接続するだけで即座に良い音が出るほど簡単ではありません。
そういった話は五十歳以上の方々には当然の話でしょうが、現在メーカーにも販売店にもその代は接客側主力としては残っていませんし、大型家電量販の店頭に並ぶ店員方々はあまりにも若く当然ながら経験も浅く、また、オーディオ、特にアナログは、商売と言う枠を超えた部分で深い愛情と吟じ、知識と経験をそれに対して強く求めてくる物であって、それを扱うには、社員の平均寿命が五年も無い様な大型家電/カメラ量販店が、売り場だけ立派に構えて「AVが好き」程度の動機で社内から募った社員に本部意向の在庫管理や接客マニュアルだけでは、それら製品やそれを愛するお客様方に本来応じ切れる訳もないのです。
何故ならオーディオとは、彼ら店員自身が所属する会社が拘束する時間や、その範囲で学べる知識の範疇では如何ともし難い趣味深き物であって、自身が壮大な愛情を注ぎ自己投資を行わない限り、到底それを欲すお客様方に適切な提案や接客、技術の提供など等出来る筈がないのです。
意地悪を言う気は無いのですが、アナログレコードプレーヤーを店頭に飾っている以上、その売り場には最低一人は調整交換その他、お客様の要望に応えられる人間が居て当然と私は考えますが、さぁ皆さん、如何でしょうか、近所の家電/カメラ大型量販店にはそういったベテランがおられますか?
訪ねる、尋ねる度にそこの担当者が変わっていて辟易したりしませんか?
責任者と言う名札の付いた自分の子供より若い(かもしれない)店員にアナログの何かを教えて貰える機会がございましたか?
SHURE V15TypeⅢの交換針あると聞いたら店員が右往左往して散々待たされて頓珍漢な答えをされた事は有りませんか?
最近メーカーのサービスに針が折れた故障だと言ってプレーヤーごと巨大量販店から送りつけられてきて困るって話良く聞きます。何なんでしょうね、一体。
私が以前関わっていた専門店に劣らない接客を高らかに謳う量販店では、テクニクスの持ち込み修理に対して、そういったメーカーの取り扱いは御座いませんと豪語した店員も居ました。恥ずかしいですね。ところが当の松下も、テクニクスのパーツが必要で問い合わせを出したら、受け付けた電話口の女性に、感情も何もない様な電子音応答の方がまだましだと思われる口ぶりで、そういった部署は現在ありません(8年くらい前の話)と勝ち誇ったような態度で豪語された事もあり、その時はあきれ返って

「あなたと話しても全く意味が無いので、いまあなたがいるそこから、ぐるっと室内見渡して、そこに居る限り最も年配の、あなたにとってはきっと仕事が出来ない人と感じてる様なうざく感じてるおじさんを見つけて電話替わりなさい」

と諭して要件果たした事もあったりしましたね。
最近パナソニックはテクニクスブランドでプレーヤーを再開したようですが。

馴染みの床屋さんと同じで、オーディオを扱うにはメーカーにも販売店にも、お客様とのある程度の阿吽の呼吸が必要なのですが、大型家電量販店は店員が同じ店頭、同じ部署に2年以上居る事は極めて稀です。一期一会の対応で済む様な商品機械はそれでも構いませんが、オーディオに限っては、相手方の趣味嗜好に対してある一定の理解力と共通言語で応じられる人間がお客様にとって一番ではないでしょうか。

それから蛇足ながら、首都圏の大型カメラ量販店頭でオーディオを説明する人間は基本的にメーカーの人身御供、失礼、人的保証と呼ばれるヘルパーさんです。彼らは自社の製品をアピールする為に存在しています。
ともあれそういった、オーディオを愛してアナログに詳しくて技術の高い店員が、沢山商品の並んだ大型量販のオーディオコーナーに見当たらない時は是非一度、まだ日本の各地に僅かに残っている専門店を探して訪ねて見て下さい。オーディオは店舗規模、企業規模ではありません、店主、経営側の嗜み次第です。

それでも近所にスムーズな対応が可能なお店が見当たらない時には、どうぞ、一度私達でんき堂スクェアまで一声お掛け下さいませ。何かしらお客様にとって得る物があると感じて頂ける対応で臨みたいと考えております。

TEL:0466-20-5223(お問い合わせはこちら)