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バブル全盛期の頃中高校生だった、今40~50歳になる世代にとって、20万円を簡単に超す様な価格のケンウッドのミニコンは確かに光り輝いていました。
ケンウッドって響きが既に意味も分からずカッコ良くて、いつの間にかそれが良い音と同義になって、当時を丁度、欲しがる側から販売する側へと立場を変えつつ過ごした私としては、現在の同社のブランドの響きがもたらすイメージの、あまりの変化に月日の移ろいを感じます。
その当時でさえ、今の私ぐらいの世代の方々からすれば思う所があって、意地悪の一つでも言いたくなったのでしょう。
ケンウッドケンウッド騒ぐ物知らない若造共相手に

「ケンウッド?そんなのTRIOのコンポの方が本物だろ?」

なんて言われると、その諸先輩方が指さす鈍く銀色に輝く大柄な、アナログダイヤルのチューナーや木の葉マークの付いた木目なスピーカーがどうにもダサく見えて、大人は分かっていない等と思った物です。
何しろTRIOがトリオでトリオがケンウッドな事さえ知らない無知っぷりなので仕方ありません。
当然その分派と言うか袂を分かったと言うか創始者と言うか、ともかくその筋から発展したのがケンソニックであり後のアキュフェーズだなんて事は尚更当然全然必然全くもって知りやぁしません知る訳ないです。

そんな当時の大人な彼らと大差ない年齢を迎えた私は今度、ケンウッドなんて知ってる若者が皆無の、皆無っていうと語弊があるから、知ってるかもしれないけどケンウッドのステッカー貼りまくって喜ぶようなレベルで憧れる様な人間は皆無な、そもそもミニコンも市場に存在しない様な現在、そのTRIOの価値観を引きずった単品コンポと言う死語同然の物を皆に勧めていく職業を選択したという事に対して、随分大変な時代になったと、正直思います。
何故なら当時の中高生は物知らないだけで、少なくともケンウッドのミニコン自体には憧れていた訳です。
そうやって流行っていると必ず捻くれ者や反主流派が出てくるので、当時の二大ミニコン人気ブランドのケンウッド/パイオニアが売れれば売れるほど、アカイやテクニクス、ヤマハと言った普通とは違うテイストのミニコンに目が行き始め、そのうちにそもそもステレオの源流である単コンの存在に気が付き、ダサく見えたTRIOが急にカッコよく見えだし、その流れでサンスイのアンプやラックスと言う存在と偉大さを覚えてステレオの道を歩むのです。
簡単に言えばケンウッドのお陰でミーハー的にでも、当時のケンウッドのミニコンにあこがれた内の4割程度がそれ以外のミニコンを選択し、更にそのうち2割程度が単コン、セパレートオーディオの世界に進んだ様に思われます。つまり全体の1割以下ですね。
でもその一割とは、当時中学高校のクラスに44人生徒がいたとして、半分男子だから、大げさな話抜きで6割近く、13人がオーディオに興味があって、その内6割の約8人はケンウッド最高~だった感じですから、最低22人に付き一人、つまり一クラスに一人は単コンユーザー予備軍が存在した訳ですよ。
たった一人かよと思いますか?当時私の通った公立高校は各学年12クラスありました。
要するに36人は単コン予備軍です。男女共学凡そ1500~1600人の在学する学校一校につきです。
因みに私の居たクラスには単コンユーザー4人居ました。高校生の時給が470円とか500円で、サンスイの607が79800円だった時代にです。裕福な家庭の何でも買い与えられた様な奴もいれば、私の様に勉学忘れてアルバイト三つ掛持ちしてやっとこさアカイのデッキ購う様な人間も含めて。
今時、高校生1500人集めて、単コンバイトしてまで欲しがる子が一人でもいれば凄いんじゃないですかね?
欲しがる以前に家電屋に行ってもロクなステレオ扱ってないんだから知る訳ないし知らなきゃ欲しがらないし、そもそも中高生は周りの人間に左右されて生きているので、身の回りの人間が欲しがらない物は自分も欲しくないのです。
もしかしたらそれは中高生だけの問題ではなく、日本人の購買行動の本質かもしれませんが、それを言い出すときりがないし大上段から偉そうにその心理を語る立場では無いので、思い出話はこの辺でやめておきますが・・・

で、いつもながら長い前ふりで本題はTRIO。
しかもTRIOのプレーヤーのオプション。
ニッチですね~

TRIOのKP-700、700D及び800に対応する所謂ヘビーウェイトです。
これ、これさえあれば、この三機種を未だ大事に有す皆様方には、SPUを初めとする重量級カートリッジ&シェルが楽しめるんですぜぇ、へっへ・・・

因みに上記三モデルの標準ウェイト対応範囲は、シェル込23.5gまでです。
DENONのDL-103に14gのシェル付けてリード線と留めネジ少し奢ったらもうパンクです、この意味お分かりになられる方には垂涎の的ではないですか?

TRIO
KP700,KP700D,KP800専用オプションウェイト OW-1
当時定価 4,000円
適応カートリッジ重量範囲、上記プレーヤー付属標準シェルを11.5gと換算し23.5~33.5g

中古品に付き外観はそれなりですが、機能に問題は御座いません。
当時の箱揃いで販売価格10,000円  (税込)

完売しました。

最後に一句

いつまでも~、あると思うな、デンオンの交換パイプとトリオのウェイト

字余り、大変失礼致しました

要するに見つけた瞬間が全ての一期一会ってことっス

TEL:0466-20-5223 (お問い合わせはこちら)