今回の紹介はマーブルスと呼ばれるスコットランドのブランド、アトラス社のオーディオケーブルです。
色々なグレードが揃っていてなかなか壮観な眺めの会社ですが、残念ながら日本での露出はそれほどでもありません。
何しろこのジャンルはあまりにも種類が多く、実際に専門誌でさえ一堂にその存在を広告を含めてでさえ目にする機会は少なく、また大概の販売店にとってもオーディオアクセサリーは店の取引上の関係や在庫金額、店主さんの好みなどもあって、平たく全てを扱える訳でもありません。
よって尚更今回のこちらの商品のように、今まで存在すらあまり意識したことがなく、ところがふとした理由で耳にしてぶっ飛んだみたいなことも在り得るのでオーディオは面白いといえば面白いのでしょうね。
私はたまたま輸入元のU氏の御好意で、その製品の実力の一端に触れる事が出来ましたが、普通に過ごしていたならばそのブランドぐらいは知っていましたが、なかなかこのケーブルから得られる音楽再生における濃厚芳醇緻密な世界観を知る機会はなかったかもしれません。
U氏曰く
「最先端技術の単結晶導体「OCC copper」と、マイクロ・ポロウス・テフロンを絶縁体に使用したオーディオラインケーブル。導体同士の干渉を防ぐためにコットンを緩衝層に使うなど、伝送経路の適正化を図っている。ジャンルに関わらず音楽そのものを音楽的に表現する製品」
ということになりますが、補足すると端子も含めた自社生産の製品で内線と端子が同一素材で仕上げられていると聞きます。
つまり信号が出て入るまでが基本的に同一導体上に乗って伝送されると考えられるのですね。
それがいいか悪いかは分けて考えますが、最近は○○製端子を採用といった感じの製品が国内外問わず多く、線の被覆自体は各社オリジナリティに溢れてこそいれ、端子はいつものアレ、あるいは毎度のコレといった、確かにそれだけの採用実績がその端末の人気や実力を現してはいるのですが、製品開発や物つくりの思想面の一貫性や、総合的技術力、仕事量では既存の端末にどこかの線材組み合わせた商品よりは説得力が高い気もしますよね。
決してそういった既製品組み合わせ品が良くないといった話ではなく、私もそのタイプの品を数多く使用しますが、アトラスのような一貫した姿勢の品を目の前にすると、ある種の荘厳さからくる美しさに思わずたじろいでしまうといった、そういう意味の話です。
予算が許されるならば是非とも用いてみたいケーブルですね。
あと、よく「たいして良い機会じゃないからそんなに良いケーブル繋いでも意味が無い」と言った論調も存在し、私も同調する時期もありましたが、最近は手元で気に入ってバランスよくなっているシステムならば、その機材の価格的多寡に関わらずに、試せる限りのことをしてみても、決して裏切られることは無いのじゃないかな?とも思い始めています。
A.I