法人向けの精密測定機器開発などで、確固たる地位を持つ技術集団「株式会社サヤ」を主催する横田氏が、そのオーディオへの情熱の全てを傾け、持てる技術の全てでもって臨んだブランドが PURE SPEED

2009年にいきなりハイクラスのセパレートアンプを持ってデビューし、まだ新しく知名度も低いのですが、その徹底した最高性能への追求姿勢と、世界最高峰の音の実現を目標に掲げて製品開発に邁進する姿勢は、昨今の趣味性の追求を掲げ、つい雰囲気と感覚的な良し悪しに流れがちな新興ブランドとは、一線を隔す物であり瞠目に値する存在だと思います。

先日横田氏とお話させていただいた際に驚いたのは、氏はコンピューターエンジニアの側面をお持ちなのですが、そもそものオーディオ製品開発のきっかけとしての、しかも徹底した性能への追求の原動力となった理由が、若い頃本当に憧れて借金を重ねて購入した“ある国産超著名高級ブランドの高級セパレートアンプ”があって、その造りの丁寧さと高性能に長く憧れ尊敬の念も抱いていたのですが、30年近くを経て、最近どうもその後継機たるや、あまりにも当時の志を失った技術力の低下した、ブランドイメージに乗っただけの低技術商品に成り果てているのではないか?と、その最新型を仔細に検分して感じ、それならば自らが当時受けた衝撃と感動を再び蘇らすには、自分で作るしかない、と、まぁ要約するとそういった話でした。凄い話ですよね、昔は良かったとか○○も地に落ちたとか貶すのは簡単なのですが、そこで批評家に自らを置くことなく、それならば自分が創ろうと思う姿勢も素晴らしいですし、エンジニアとしての正規の教育を受けた事が無い自分等は、その才能に正直羨望の思いが致します。

規模は違うかも知れませんが、70年代、80年代の大手メーカーの開発姿勢を少し思い出しました。当時の日本のオーディオ製品はまず音を云々する以前に、間違いの無い十分なスペックと確固たる技術の投入で万全の体制の下初めて、音の感覚的良し悪しの話が出て来たと思います。

さて、セパレートアンプの次に発表されたこのプリメインアンプも、前作と同様その徹底してデジタル時代のセンターとしての重要性と優位性を追求し、計測レベルでの数値上でもライバルが見当たらない領域まで自らを高める事に成功しています。

スペックを誇る製品に付いて回るある種の胡散臭さがこのアンプにはまるで無く、世間一般でのデジタルアンプ的な負の面を音質に感じさせないのは、何事も突き詰めて徹底すれば、その結果は極めて純粋な物なんだなと、そのどこまでも演出的作為感の無い滑らかな再生音が証明してくれます。

あまり良い事ばかり書くと怪しまれるかもしれないので、色々触った上でのコメントを寄せるとすれば、操作系統がボリューム以外の全てがリモコンに頼る辺りが、あえて言えば所有する機会としての旧来のオーディオ製品的贅沢さにはいささか欠けているかも知れませんね、その再生音とはなんら関係のない部分の話ですが。

残念ながらまだまだPURE SPEEDのアンプは、企業規模と営業力の問題で、滅多に店頭でも見掛けませんし、ブランドイメージも小さいです。しかしここういったモノ造りが、日本国内からで出てきた事を、その性能に裏打ちされたスピーカードライブ能力を、是非多くの既存の価値感に縛られない皆さんに体験頂きたいと思います。

そういった意味合いと思いも込め、今回極めて少数づつですが、期間台数限定で事実上のモニター価格的意味合いでの戦略的限定特価が発表されました。本当に数台程度ですから、以前から気になっていた方、既存の製品以外の何かを求められていた方、間違いなくチャンスですよ。私の拙い文章では概略も満足に伝わっていないかもしれないので、技術的詳細はメーカーHPを、製品記事はHi-Viや月間ステレオ誌の紹介や評価を参考にしてみてください。私達のお店で実機を確認いただけます。勿論電話やメールのお問い合わせもどうぞ。

A.I