ここ最近蛇と見間違うかのような極太ケーブルの端末処理等に追われて、全く違う能力を要求されるアナログカートリッジをばらすような繊細な作業にはなかなか向き合えないでいましたが、本日漸くの事でその時間もとれ向き合ったのが、お客様からの注文に応じて作成したコチラです↓

 

 

お客様お持ち込みのDL-103Rにオリジナル木製ボディの『榧(かや)』を換装してAudioReferenceさんの作る高級リード線を奢り、シェルには当ボディと聴感上の相性が一番良いと感じた、山本音響工芸製の柘植使用のシェル、HS-3を用いています。
以前よりこの木製ボディ換装に興味を持たれていたお客様と、でんき堂がDL103系統に対して用意する二種類の木製ボディ『欅(けやき)』及び『榧(かや)』の双方を、荒井由美の初期名盤『MISSLIM/ミスリム』で聴き比べて頂き、本日のお客様は一聴して後者の榧を選択下さいました。
二つの木製ボディ換装DL103Rで聴く荒井由美の特徴は、木製ボディ化で得られる両者の温かみや軽やかな響き以外で簡単に言うと、『欅』ボディでは彼女が好きで特に初期アルバムからその匂いを多分に感じ取れる、英国のオルガンロックバンドのプロコルハルム、特に最初の三枚辺りからひいてきたベースラインやボディの厚みが顕著に感じ取れ、『榧』ボディからは彼女の女性らしさが一際華やかに聴き取れました。
お客様の横で控えていた私としてはどちらも良く聴こえてしまうのですが、敢えて言えば、このアルバムに関して言えば、演奏を中心に聴けば『欅』であり、歌声で聴けば『榧』かなと言ったところです。勿論そのどちらも双方演奏にもボーカルにも、木製ボディ換装でしか得られない魅力に満ちている事は間違いなくお約束致しますので、どちらを選んで頂いても結果的には十分喜んで頂ける事は確かでしょう、良く聴き比べて敢えてその差を言えばと言ったところですが、聴けばすぐ判る、優劣ではないその差も確かにあるので、なかなか悩みどころではありますね。
店頭で両者の聴き比べも勿論出来ます、DL103を既にお使いの方には驚きの体験ともなるこの木製ボディ換装、是非お試しあれ。
因みに今回の『榧』ボディに対して柘植のシェルが聴感上合ったと書きましたが、『欅』ボディの際にはやはり聴感上に於いて同じく山本音響工芸の黒檀シェルをお薦めする事が多いですね。勿論、今までボディ換装を施した数十個のコチラには、その他様々なシェルの組み合わせで納めて参りましたので、お客様の臨むシェルには基本的にどれでも装着いたします。組んだ際の総合重量や見栄えも含めてご検討くださいませ。

過去何十年に渡って登場した十数種類のDL103各種(除くDL103M)に対して全て同仕様を施せます。新規購入のDL103でもお持ち込みのDL103でも喜んで応じます。また、シェルやリード線もその際に持ち込み、購入問わず同時に装着申しつけ下さいませ。製品の性格上大変に装着時の取り扱いに繊細さを求められますので、木製ボディ換装状態のカートリッジ単体でのお渡しは、私より技術が確かな方及び自己責任を理解出来る大人の方以外には基本的にお渡しは控えさせて頂いております。
標準状態の樹脂ボディのDL103でさえ螺子をきつく締め込みボディを圧壊させる方もおられるのですよ、ましてやこの薄い木製のボディに対して少しでも力加減を誤れば・・・
また、店頭では装着を行えない、シェルを用いないストレートアーム仕様にコチラを装着されたい方は、出張で応じるか十分な話し合い後の判断でお渡しとさせて頂きますのでご検討のほど宜しく願います。
尚、実際に店頭で注文を頂き、標準DL103ボディを剥いて木製ボディに換装してシェルに据えリード線を装着して試聴してから針先状態の顕微鏡確認まで含めてお渡しまでに、約一時間弱のお時間を頂戴するとご理解くださいませ。

 

でんき堂スクェアオリジナル DL103木製ボディ換装『欅』『榧』共に装着手数料込み39,800円税込
その他、DL103本体及びシェル、リード線を購入頂くかご用意頂く必要が御座います

 

木製ボディ換装に限らず、アナログカートリッジの扱いは→0466-20-5223