写真は、audio-questのそれはそれはもう高価なスピーカーケーブルを二組、全端子AIRLOC化した姿です。内一組みはシングルバイワイヤですので、総計20箇所。それでもってこれで漸く1組のスピーカーに信号を送る仕組みですので、このお客様の使われているシステムの規模も知れようというものです、凄いですねぇ。
さて、今回作業していて気がついたのは、こちらのケーブルは各線四本の銅単線構造なのですが、元々の純正プラグのイモ螺子を解いてみた所、全体の半分近くの端子内部で、螺子固定部を境に銅線が二本ずつ破断していた事です。残りの線で僅かに接してはいるので完全に音が出なくなる状態ではありませんでしたが、このケーブルが本来持つ性能が十二分に発揮出ていたかと言うと極めて怪しい状態でした。これはお客様の使い方と言うよりは、単線に対してイモ螺子を何の下処理も施さずに強く締め上げて作れば、細い撚り線の集合体に比べると単線撚りはどうしても経年でこうなります。要するに金属疲労です。
普段、端末処理の重要性やAIRLOCを奨めるでんき堂ですが、皆様のケーブルも、以上のような観点からも一度、特にメーカー完成形の端末処理済みケーブルをお使いの方は、一度その内部の状態を疑ってみるのも良いかもしれませんね。中には簡単に取れないような端末処理施された製品もございますが、大概は螺子二本程度回せば簡単に取れてしまう作りのモノです。開けてみてなんでもなければそれはそれでよし、あじゃぱ~って感じだったらせっかくなので少し端末剥き直して再装着もよし、これを機に違う端末への換装もよし、技両面に不安を覚えたり作業自体が面倒に感じたならばでんき堂に任せてしまうもよし(笑)
そのままの状態で過ごすよりは、精神衛生面的にも音楽再生的にもまず間違いなく良い結果を得られると思いますよ、中には銅線セロテープ巻きの上からイモ螺子なんて凄いのもありましたね…

 

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