本当はここに書きたい事やネタは既出の10倍はあるのですが

①筆者の作業能力
②書いてもいいこと
③書きやすいこと
④その日の気分
⑤その他

等諸々の事情と業界の力関係が複雑に組み合わさり、どうしてもペースが上がりません、なんてね。要するに一日の最後にここに来るですが、細かい作業して疲れて午前様続きで、流石に時間も体力もない時が多くて、書きたい気持ちはありますよ、勿論!直接製品とは関係ない業界の動向なんか特に…

閑話休題

さて電源ケーブルです。今更私がここでその重要性を叫ぶ必要などないので、ちょっぴりだけ普段皆さんが気にされてなさそうな部分を紹介致します。
実のところ2芯3芯の電源用ケーブルの両端に市販のオーディオ用、或いは医療機器グレードと謳われたプラグを取りつけたに過ぎないのが電源ケーブルであって、構造的には比較的簡単で、作成自体も決して難しいレベルの話ではありません。(勿論その簡単なレベルとは、各人の人生においての経験次第で意味が変わります。鉛筆を小刀で綺麗に削れる事を当然というか、或いは凄いと言うかはその人の育った環境次第ということですね) それだけのものが数千円から数万円、果ては数十万もするものまであって驚くのですが、確かに電源ケーブルの変更はオーディオ機材への音への支配度は極めて高いので全く馬鹿には出来ません。ただ、実際に電気が通る部位なので作業自体には丁寧さが求めれるのですが、壁コンセント交換等と違ってそれ自体に資格などはないのですね。故に色々なブランドから多数完成品も部材も出揃って居るのですが、どうにもそのプラグ内での線の留め具合いが見過ごされがちなのが私は以前から気になっています。

 

剥いたままの状態

 

ブランド名あげると角が立つのですが、結構高価な完成品の電源ケーブルをばらしてみると、切って剥いただけの撚り線がそのまま螺子止めされてるだけなんてのも結構沢山あって、おまけに枝毛みたいに線が一本ちょろっと飛び出したりしたりしてるの見つけた日には心胆寒からしめる思いを致します。
最低限端末は半田で纏めるか、電源プラグ用の内部Y端子で圧着するかして、更にその基部金属露出部には伸縮チューブなど被せて最悪の事態への備えを施すべきなのですが、メーカー品も含めて自作は尚の事、なかなかそこまで配慮が行き届かないものですね。
でんき堂スクェアはお客様指名の電源線やプラグを組み合わせケーブルを作成する機会が多いのですが、予算に応じて半田処理、フルテックなどの内部用端子処理などを基本的には行っています。
今日はSAECのAC-7000Triple-Cというメートル当たり11,880円もする大変高価なケーブルとプラグをご注文下さった工作派の方へのご提案で、どうせこれだけ良い物揃えてお作りになるのでしたら、専用工具でしか得られない全方位完全圧着処理してみませんか?と提案したところ興味を示していただき、プラグ装着などの作成自体はお客様に委ねますが、3芯ケーブルの両端末の計6箇所の処理、今回は4本分のご注文で総計24箇所のAIRLOC処理応用での角圧着仕上げのご依頼を頂いての作業です。

 

AIRLOC/角圧着処理後の状態、プラグ内に於いて基部露出部分相当箇所は伸縮チューブも被せます

 

既にあちこちで書いて来たので簡単にしておきますが、この処理方法はおそらく現時点で撚り線をプラグに確実に受け渡すもっとも確実な手段だと思われます。これは何十本にも及ぶ線材を均等に確実に締め上げる点では、一般的な工具で行う二点圧着では到底及ばない均一性を保てます。また、音の変化は、メーカー販売の完成品のケーブルに対して、プラグ類などの部材は何一つ変更せずに内部にこの処理を施すだけでも、随分音楽の再現力が向上することを体感できます。
皆様も電源ケーブル切り売りオーダーの際にでも、或いは既にお使いのケーブルの強化を思い立った際にでも、是非この角圧着処理を思い出してみて下さい。
比較的簡単と書きましたが、手間はかかるので流石に費用はかかりますよ、2芯で片側1,500円、3芯で片側2,000円です。つまり3芯ケーブル両端末処理で4,000円です。被服などが凝りに凝った使用等のケーブルは剥く作業自体が手間になるので多少追加が発生する場合もございますが、ともあれお金を使った以上の効果は体感できる内容ですので、新規購入持ち込み問わずご検討なさってみてください。
尚、文中にあったケーブルとプラグを選んでケーブル完成状態一式作成自体は、内容次第で部材代+作成費4,000円~程度からお受けしていますが、その工程数や内部の端末処理如何で、例えば今回の角圧着処理などの場合はその分追加が発生いたします。
尚選択したプラグによっては角圧着処理された端末を咥え込められない物も存在いたしますので、接続の可否は都度お問い合わせくださいませ。

 

電源ケーブル作成の依頼は→0466-20-5223