以前も書きましたが、DENONのアナログカートリッジ生産能力がここ数か月危険水域レベルで逼迫していて、主力の103系列以下、各針が我々販売店に全く必要数が供給されていません。先日オーダーした分なぞ、1月中旬以降の納入とか返事来るしもうどうなってんだか。それでも「でんき堂スクェア」は販売量に応じて随時仕入れさせて頂いておりますが、どうしても待って頂いているお客様方に順次納品している次第です。今日はそんな中に幾つか纏めて漸く入った針を一気に出荷です。

 

 

まずDL103Rをアルミボディ化して

 

 

 

今度は同じくDL103Rをストレートアーム系のシェルに据えて

 

 

 

お次はDL103RにSAECのSR500リード線をテクニカのシェルにアルミスペーサーを手挟んで組み上げ音出し確認もして

 

 

 

更に高出力型のDL110を同社のDP1300用シェルに組んで

 

 

 

最後にDL102に専用のY字型リード線を組みました

 

これ結構大変なんですよ。営業中の店舗で、来客、営業さんの来店、業者さんの納品や電話の鳴る中、それぞれ応対しつつ集中力を求められる精密作業って。それと、お客様にお渡しする為の顕微鏡拡大写真も毎度ちゃんと撮影していて、針毎に音出し確認もするので結構時間掛かるんですよね。勿論これは私の仕事でありその行為自体も大好きです。ただ、最近はその傾向が一層顕著になってきましたが、オーディオ専門を標榜するお店が、販売はすれど装着は何故かやりたがらないらしく、ますますコチラにその依頼が増えて来ていて、針自体の納入数の不安定さと私の作業能力の限界とも相俟って、正直お待たせする機会も増えて来ました。が、とにかくご依頼頂いた分は必ずベストの状態でお応えさせて頂きますので、何卒お時間の方のご理解を宜しくお願い致します。

先日、五種類の音楽再生的に性質の異なるリード線を、五つの同じ針に装着して聴き比べさせてくれると言う、なかなか剛毅で太っ腹な事をなさる東京の有名なアナログディスクに強い販売店で、それを各種試聴なされたお客様がその場でそのうちの一つの音を気に入って、そのリード線を購入して装着を希望したら、そのお店では取り付けは怖いからみたいな理由で断られたのだとか。だったら聴き比べなんか店頭ですんなよとも思いますが、ともあれ気の毒なお客様は態々この藤沢まで装着を依頼に出向いて来て下さいました。逆に私のお店ではリード線の各種聴き比べなんて豪勢な真似は出来ませんが、持ち込みであれお買い上げであれ、ご依頼あれば取り付けまで必ず致します。
また、アナログオーディオは趣味だから自分でやって、或いはやれて当然みたいな事言う人間は、趣味で写真撮る人間はフィルムの現像自分でして焼きつけて、通勤車以上の性格のスポーツカー乗る人間は車の分解整備も自分でやれと、その道に長けた人間に言われてるのと大して変りがないのだとそろそろ自覚すべき頃です。そう、アナログカートリッジの装着やリード線の交換は、現像焼き付けやキャブレターの分解に比べれば幾分は楽ですが、細心の注意と慎重さが求められる事に関してはそう変わりがありません。そのどれにも関わっている自分としてはそう思っています。よって趣味であれなんであれ、アナログカートリッジの取り扱いに少しでも不安を覚えたら、遠慮なく最寄りの腕の確かなスタッフの居る販売店に依頼しましょう。そういった販売店に巡り会えなかった際には、どうぞでんき堂スクェアまで一声お掛け下さいませ。

勿論ご自身でやってみる意気込み、姿勢はとても大事ですし応援致します。しかし本当に事故が多い、毎日の様にリードピン折ったり針折ったりの報告が本当に多いのです。その行為自体、つまり装着行為自体がお客様にとっての趣味的目的範囲にない限りは、ここはやはり一般的には写真の焼き付けや車の整備はプロに任すのと同じく、アナログカートリッジの取り扱いは専門店に任せられる事をお勧め致します・・・

 

最後に駄目押しでもう一件、GRADと密着シェルの装着と言う難題を一件こなして針まみれの半日が閉じていきます、非常に興味深い眺めと音出しでしたよ。GRAD、グラッドと呼ぶのかな、もう少し皆さんに知って欲しいブランドですね・・・

 

 

 

 

アナログカートリッジに関するご用命、ご相談、取り付けその他、勿論オーディオ全般は→0466-20-5223