今回のお仕事は、ある有名なスピーカーケーブルブランドの送り出す完成型のスピーカーケーブルを、遠方のお客様からお送り頂いてのAIRLOC処理です。いつもの様にコチラのお客様ともお受けする前に何度か話し合いを重ねたのですが、元々は現在使われているケーブルに今一つしっくりいかなかったとの事で、買い替えを検討されての相談で、その上でAIRLOCも併せて希望だったのですが、よくよく確かめるとかなりのクラスのケーブル、1.8mペア135,000円税込み!をご使用の様子。買い替えるにしてもそれ相応のクラスで探せば相当の出費は必然。それで販売店としては、商売的には新しいケーブルを買って頂く方が一般的には良いのかもしれませんが、ここはそのケーブルを活かして、一度AIRLOC処理だけしてみませんか?と言う提案をお客様へ致しました。端末くらいでそんなに変わるのか?とお客様も一瞬思った事でしょうし、せっかく新しい物を欲しい気持ちを店側が遮る様な提案は場合によっては失礼にあたるかも知れません。でもせっかく持っている高価な品のポテンシャル最大限引き出してから次に移るのも良いじゃありませんか、お客様もその旨賛同頂き早速作業開始です。

 

 

写真は既存プラグを順々に外している姿です。今回のブランドに限らず良く見かける留め方で、撚った多芯ケーブルを二本のイモ螺子で抑える方法ですね。ここばかりは値段の多寡、ブランドに限らずどれも本当に同じですね、4個で1000円程度のバナナプラグも何万もする製品も、基本的にこのイモ螺子留め構造や材質は殆ど同じで、線材の純度や組み構造やシールド等に拘るブランドは実に多いのですが、線材に直接触れるココの部分に対して深く追求しているブランドがどうも少ないのは一体どうしたもんでしょうね。

 

 

さて、結構な作業時間と手順を踏んで完成です。今回はシングルバイワイヤ仕様なので、QED AIRLOC ABSバナナ端子を12個使用しました。この場合のケーブル持ち込み標準お取り付け価格は、プラグ代12個分込みで32,400円税込みです。ケーブルによっては、例えば多芯複数芯で剥き作業が何十回も必要なケーブルの様な場合は、多少の技術的作業追加料金が発生します。今回のケーブルは立派な外観の極太系ですが、作業工程自体は標準的なケーブル構造なので追加は無しで作業を進められました。完成後のチェックはいつもの通り音出し確認ですが、今回はその変わり映えが非常に印象的でした、簡潔に述べると低域の実在感がとても良いですね。後はお客様の家でどう活躍するかを楽しみに梱包発送です。

後日、コチラを依頼下さったお客様から以下のメールを頂戴致しましたので、許可を頂いた上で掲載させて頂きます。

 

「本日早速鳴らしてみましたが、正直ここまでわかりやすく変わるとは思ってもいませんでした。まず全体的にクリアで音が弾み、特に低音のキレが非常に良くなりました。旧来のままではケーブルの実力が出し切れていなかった、ということなのでしょうね。AIRLOC加工には非常に満足しています。ありがとうございました!
ご提案いただいたお陰で、システムを1ランクあげたような、おおげさではなくそんな気がしています。当初検討していたxx-xxxxx-x(←ケーブル製品名)も魅力的ではありますが、加工していただいたケーブルで大満足してしまいましたので…当面は見送りという事で」

 

喜んで頂けているご様子で、私達としても大変嬉しいですね。確かに当初お客様の求めるままにハイハイと高価なケーブルをそのまま黙ってお買い上げ頂くのも良かったかもしれませんし、お店的にも大きな金額の売上だったと思われます。でもこれだけ喜んで頂ければ、今回はこれで十分私は幸せです。こういった作業で得られた信頼で永いお付き合いが頂ければ尚幸いですネ!

 

端末交換も新規購入も他色々もどうぞコチラまで!→0466-20-5223