今日のお仕事は、神奈川県から見ればかなり遠方にお住まいの客様から送って頂いたキンバーケーブルの8TCの端末変更です。一頃大変人気の有ったケーブルも、本国と輸入側の関係で最近はあまり見かけなくなりました。と言ってこのケーブルの性能に何か問題があった訳ではありません、今でも十分な性能を誇ると考えます。問題はこの素敵なケーブルも撚り線複数組み合わせ構造故、この8TCの場合プラスマイナスで8本ずつの撚り線組みになっていて、これを一本づつ剥いて撚って束ねて締めてなんてどえりゃあ~手間で、よう扱いきらんのですわ、普通の環境では。十数年前に秋葉原の老舗に居た頃、プライドだけ高い割にはどうしようもなく不器用な店員がおいおいおいおいおいっ!って手つきでこのケーブルをお客さんに頼まれて二時間くらいかかってロクな工具も使わずに危なっかしい手つきで剥いて汚らしく捩って渡していましたね、受け取った人も気の毒に。しまいにゃこのケーブル駄目だとか偉そうにのたまうていたのが懐かしい。
キンバーの名誉の為に申し上げると、このケーブルが駄目なんじゃないんです、要するに手間を掛ける構造なんです。それをアンプ、スピーカーのプラスマイナス各端子をL,R計一本あたり8本なので計64回、カッターで剥く様な代物ではありません、その私よりは一つ年下でしたがその店の在籍が長いという理由だけで先輩ずらしていたその彼が、ワイヤーストリッパーを知っていたか、またそれでさえ線材毎に使い分けるべき物であることを理解していたかどうかは私は知りませんが。因みにその彼以前も書きましたが、私が止める間もなく不器用な手つきでお客さんから預かったV15TypeⅢの純正針ブチ折りました、今思い出しても身の毛がよだつ。
閑話休題、このケーブルは本来剥いて捩ってそのままでは恐らく本来のポテンシャルは望めません、何にかしらの端末処理でキチンと接続しましょう。その際当店としては毎度のQED AIRLOCをお勧めしたいと思います。全ての線材に対してプラグが均等に接触適う、現時点では唯一にして最良の端末だと思われます。先日大変高価なメーカー完成品端末処理済みケーブルのバナナ端末を、やはりQEDに変更する作業を承りましたが、プラグ開けてビックリ、延べ何十本という銅線の中をイモネジが泳いでる様な接触状態で、とても多芯構造の全ての線材に対してプラグが均等に接触が図れている状態とは言い難い状況でした。勿論作業自体はメーカー謹製仕様で丁寧な物ですが、これはもう一般的なバナナプラグの持っている根本的な構造上の問題で、安い物も超高額品も基本的には同じ構造なので留め具合に関しての優劣は、ことイモネジ留め仕様のプラグである限りは金額の多寡はあまり関係ない様に感じています。プラグ交換圧着作業完了後に店頭で確認した音は間違いなく作業前とは別物の鳴り具合でしたよ。

 

 

さて、QEDが良いのは分かった、でも私の愛機は古いのじゃよ、バナナもYラグも対応せん小さな丸孔が開いてるだけじゃい!って方はどうしましょうか。でもケーブルは年々豪華に太くなってくるしやはりそういうの使いたいのが趣味で有り人情だし。その一つの答えが上記のプラグです。TARALABSのセルフアタッチンピン、SA-PINと言います。4個入りで4,320円税込みです。見た通り先端がうんと細くなっています、太いケーブルをビンテージ機の様な小さな孔に対応させる為の端子ですね。大変便利で良い物だと思うのですが、少し前に国内の流通が終わりました。それでこういった物無いと困るので、輸入元在庫少し無理して残り全部抑えました。太いケーブルでお困りの皆さん、是非ご検討下さいね。更にその際、このプラグ、セルフアタッチングピンなんて謳ってますが、剥いたケーブルに無配慮に捻った所で写真の様には残念ながらなりません、やはり綺麗に装着するにはそれ相応の技量と手間を必要とします。よって皆様、どうぞお好きなケーブルで端末をこの様な形に仕上げたい方は是非お使いのケーブルコチラへ送り込んでその旨申しつけ下さいませ。それに必要な最適なプラグと工賃を合わせてお答えして作業致しますよ。

 

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