全国的台風の影響下の散々な天候状況の中、皆さん如何お過ごしですか。お仕事の方には無事お帰り下さいとしか申し上げよう御座いませんが、そうでない方は是非良い音自宅で愉しんで下さいなとお伝えしたいです。かく言う私は、今無理して外に出ても傘も役に立たぬ様な土砂降りに、駐車場まで歩いただけでも濡れ鼠必至な状況と早々に諦め、雨が治まるまでの積りで閉店後の店内でポチポチとPCに向かってコレを書いています。
さて、昨日はDL103を裸にする話でした。本日は一旦裸にしたDL103に改めて寸分違わぬサイズでアルミブロックから削り出したケースに収め直します。そう、好評のアルミボディ化。ネイキッドの方は昨日もくどくどと述べさせて頂きましたが、大変に扱いがデリケートで少々扱いが怖いです。でもこちらは材質変更のみで取り扱いは通常のDL103と全く同じ、その上音質的にはオリジナルDL103に対して非常に興味深い差を体験出来る事請け合いと言った仕様です。
過日、オーディオライターの田中伊佐資さんに月刊ステレオ誌の取材でお越し頂いた際には、度重なる比較試聴検討の結果、こちらのアルミボディ仕様を選択頂きお求め戴きました。実際にはネイキッドの提供する爽快な解放感も捨て難いと田中氏自身随分判断に難航したのですが、最後の決め手は取り扱い易さでした。今までのお客様方でも、双方どちらも魅力だけどやはり安全も見てアルミボディを選択される方が多いのですが、結局後からネイキッド仕様も追加で購入頂ける事が少なくないのですよ。

 

 

上の写真が依頼頂いたお客様のDL103をシェルから外した所です。勿論オリジナルのDL103でも十分アナログオーディオは楽しめます。実際の所これらの一連の過程で私達が皆様に提供したいのは
「メーカー量産品はコスト優先主義で丸で駄目で手を入れた当店オリジナルの方は弱点を全て補って遥かに優れている」
と言う様な、改造系ショップによくありがちな主張では無く、オーディオに対する人それぞれの色々な角度での愉しみ方の提案ですネ。
平たく言えば、オリジナルコンディションのオースチンヒーレースプライトをSUキャブの吸排気音も軽やかに操る姿に常々羨望の目を向けながらも、ロールゲージ組んだフルバケ状態でピロアシ入れてツインウェバー奢って軽量化ねらって前後FRPボンネット他エンジンやり過ぎなコテンパに手を入れたMGミジェットで、峠なり筑波なりを激走する魅力も捨て難く、そのどちらも元は同じ素姓の車でありながら全く違った方向の愉しみを提供してくれるという意味で、メーカー吊るし状態のミントもフルチューンも愉しいと言う意味ですが、何だか全然分かり難かったですね、御免なさい。因みに補足すると50年以上昔の英国製ライトウェイトスポーツカーのお話です、念の為・・・
閑話休題、欲を言えばオリジナルはそのまま手元に残して頂き、アルミボディタイプやネイキッド仕様の複数のDL103を使い分けて愉しんで頂きたい位です。そのどれもが正しい設定下の使用に於いて皆素晴らしいと思いますよ。

 

 

その後企業機密的ムニョムニョな作業を終えて、新たなボディを纏ってシェルにも組みつけた姿です。せっかくなので高価な銀線リードも奢りました。

 

 

装着状態確認で音出しです、ネイキッドとはまた違った傾向の高い分解力と解像力に、深く下まで伸びきる低音、パワフルな押出しが魅力です。こちらもボディが変わった以外は振動系電気系及び針先には一切手を触れていないので、針圧抵抗出力と言ったメーカースペック面にはなんら変更はありません。但し、ボディのサイズや肉厚は変わらずとも、アルミ材への変更で、カートリッジ本体総重量が8.5gから10.9gへと2.4g増されます。よって元と同じシェルに付け直した場合、アーム上での設定はメインウェイトが後退する事でしょう。
皆様もDL103アルミボディ化ご依頼の際は、シェルの取り付けやリード線の交換も併せてご検討下さいませ。勿論既にお持ちの他店購入品の持ち込みでもいっこうに構いませんよ。その際にお客様のアナログ環境や好みなど詳細にお教え頂ければ、可能な限りそれに沿ったシェルやリード線の組み合わせでご案内出来ます。

 

 

いつもの針先確認です。預かった時点では相当汚れた状態でしたが、磨けばもとどおりですね。
さて、雨も少しは弱まりましたかね、コレにて今日は失礼致します、皆さんおやすみなさい。

 

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