二十年以上前にレスリー・ニールセン主演の「裸の銃を持つ男」ってしょうもないドタバタお下品映画がありましたね、裸の銃が何を意味するかはここでは詳細に触れられませんが。映画中では古の名優のジョージ・ケネディとかまさかのプレスリーの幼妻とか、何かと曰くありのO.J.シンプソンとか凄いの並べて大どんちゃん騒ぎしてましたが、ドレビン警部補を演じたニールセン自体は刑事コロンボなんかのゲスト脇キャラ務めてた頃は、その長身と白髪を生かしてCIAのモグラや富豪の娘のスマートな婚約者とかやってました。

 

 

閑話休題、上の写真は何でしょうか?
ひっくり返ったカブトガニではありません。SMEに抱かれた「裸の103」です。そう、今ごく一部の極めて狭い範囲で圧倒的支持を頂いているDL-103ネイキッドです。お馴染みDL103の側を剥いで丸裸にして人工衛星精度の金属加工技術で削り出した専用のアンダーベースに咬ませた例のアレです。本日のお仕事はこのDL103ネイキッドをSMEに抱く作業です。ここ最近雑誌やミュージックバードでも立て続けに紹介頂いて、この仕様の存在自体はご存知の方も増えては来ましたね。ではなんで狭い範囲での支持かと言うと、その性能は間違いないのですが、そこから得られる圧倒的音楽再現性や情報量と引換の、それ自体の取り扱いのあまりのデリケートさに店主自体、つまり製作者の私が怖れをなして、店頭で直接目を合わせてお話交わして自己責任の部分を良く良く理解頂けたアナログの遣い手にしか販売しないと決めてしまったからです。決して偉そうに相手を選んでるのとは違うのです、無造作にこの状態で目の前でくしゃみしたら逝くかもしれないデリケートさだからです。それでも今まで両手両足の指に届くか届かない程度の数は作製して手渡しさせて頂きました。それらの方々の声を総合すると、とにかく圧倒的、別物、聴かなきゃ損、でもコレは怖いねぇって所です。

 

 

写真で見えますか?これが裸の103の再生時お姿です。とにかく美しいSMEのシースルーなシェルが裸の103の姿に見事にマッチしていて、変態性を増すと言うか、ある種の背徳的香りさえ漂わせてはいませんか。

 

 

写真はただでさえ取付作業の難しいDL103ネイキッドを、構造上尚更取り付けが難しくなるSMEのS-2シェルの胃が痛くなる様な作業を終えてからの試聴の状況です。ストレスなく吹けあがる高音から低音までの解放感と広帯域の澄んだ再現力に再現エリアの見晴らしの広さは、DL103を良く知っている積りの方でも一聴した程度ではこれが同じ針の音だとは中々信じてくれないレベルです。何しろカバーこそ剥いでありますが、電気的振動的部分も含めてメーカー表記の性能表特性に関わる部分には一切手を触れていない訳ですから。即ち、針圧も出力も抵抗も針先形状も一切の変更はございません。でも音は違う。

 

 

毎度お馴染み針先顕微鏡拡大写真ですが、こちらも覆いが無い分カンチレバーがすらっと根元まで写っていますよね、あ~怖い。
でも思うんですよ、この作業して聴く度に。この音は確かに聴いて頂く価値がある。だから是非皆さんも自分でDL103を用意してひん剥いて・・・は絶対駄目です、やめましょう。仮に剥けても専用の台座を用意しないとシェルやアームには装着できません。だから、お客様自分自信の繊細な物への接し方に責任を持て、かつ私の技量を信用頂ける方は、是非一度でんき堂スクエア湘南店頭へDL103と取り付けたいシェルとリード線持ち込みでご来店下さいな。その際の輸送手段はくれぐれも安全の確保を願います。また、剥き終えた新たな姿と性能を手にしたこの針には針カバーが装着できません、よってホールドが確実なシェルキーパーの持参か購入をお勧め致します。勿論新規に購入頂くDL103でも新しいシェルやリード線をその際にこちらであてがうでも構いません。またその際には是非ご来店の旨予め電話を一本下さい、最近DL103の生産数が妙に少なく在庫でお待たせする事が増えたのです、もしかしたらそろそろこの名針も・・・
それから、ネイキッド対応可能のDL103はDL103Mを除く103系シリーズの全てです。一部御免なさいしたくなるシェルも存在しますが、それは随時現物判断で対応致しますのでまずはご相談を。また、でんき堂スクェアは店頭他WEB、通販、電話応対含め幅広く全国対応で販売をさせて頂いておりますが、この件のみは当面店頭対面販売のみとさせていただく事を予め御承知下さいませ。尚、既にこの件に関係無く当店へご来店頂いた事のあるお客様で、双方顔を見知った上でのご依頼に関しては、電話でも対応させて頂く積りです、是非お声掛け下さいませ。

 

「裸の103を持つ男」になりたい方はこちらまで→0466-20-5223