花冷えって言うんですかね?ここ数日の冷え込みはもう三月も終わりと言うのに、仕舞いかけたマフラー再登板したり手袋はめたり車の暖機時間長めに取ったりと結構な厳しさでした。
皆さんは風邪などひかずにお過ごしでしょうか。
テレビやネットを眺めていても、不愉快か悲惨か残念か愚かか悲しいかの形容詞しか思いつかない不毛な内容ばかりで気が滅入ります。
せめて
矢野顕子やキャンディーズでも聴いて明るい春を迎えたい物ですネ、勿論レコードで。
って言うとなんか偏見っぽいけど、だってこの手の音源、今更CDショップに出掛けてもって言うか既にまともな感覚のCDショップが壊滅状態なんだけど、やっと見つけて入っても全然欲しいソフト並んでないんだもん、中古レコードの方がよっぽど色々見つけ易いしその音も・・・

閑話休題、トライオードは真空管アンプメーカーのイメージが強いブランドですが、今の様な有名な存在になる遥か以前より、トランジスタ型の製品も市場に提供し続けています。
結構高価なプリメインアンプ等もあって、TR-1やその後継のTR-2なんて結構良かったけど、同社がTRV34で大ブレイクする前の製品って、どれもマニアックな層の製品だったからあまり皆さん覚えていないかも。フォノイコライザーのTR-EQ1と言う、かなり高価な製品も出していましたよね。
ところで最新のトライオードカタログを開いて見ると、ズラリと真空管搭載製品が並んで壮観な眺めですが、かつてはどの時期にも一定数その割合を占めていたトランジスタ機が、ほぼ無い事に気が付きます。ほぼと言うのは、小型のCDプレーヤーがそれに当たるからです。
Future2000なんてストレートに組まれたトランジスタ型のプリメインアンプなど結構良かったのですが、2004年あたりから同社の急速な成長と市場展開への応答の為に、持てる開発力や資産を主力製品たる真空管搭載製品に集中させる為に、どうしてもトランジスタ機の開発は減っていったと思われます。これはトライオードの問題と言うよりは、市場が同社に何を求めているかへのバランスの加減だと感じます。

さて、回りくどい話が続きましたが漸く本題。

先程のそのカタログに、今回久方振りの真空管以外の製品が追加されました。
フォノイコライザーのTRX-EQ6です。久々ですネ、トライオードの真空管未搭載型新製品。
真空管製品のイメージが強い同社が、そうでない製品を敢えて出す事には勿論ちゃんとしたと理由があります。
今回の製品がフォノイコライザーであり、低価格でMCにまで対応していると言う点がその理由です。
真空管増幅のみでのMCへの対応は、余程手間暇お金を使わない限りは一般論難しいです。
また、トランスを内包したりトランジスタ併用を掛ければ内容も回路も複雑化して高価になります。
よって今回は賢明な判断として、トランジスタ回路で組まれたフォノアンプです。同時に驚くくらいの低価格化を実現しています。
TRX-EQ6のコンパクトなボディは、フルサイズ機より一回り小ぶりなアンプを多く用意する同社のラインナップに於いて、その隣に置いてラックに並べて使うのに極めて適切なサイズですね。
唯一意外だったのは、同社の一連の製品を表すTRの型番に、Xを加えて来た事です。「 TRX 」型番を戴く製品は、同社製品群に於いて今までの慣例では上級機を表します。
つまり今回のフォノイコライザーは価格こそ低価格を実現していますが、性能的には同社のTRXシリーズに繋いで使っても何ら遜色の無い性能を約束していると、型番で暗に指し示しているのでしょう、等と深読みしたりしながら幾つかの針をSMEのM2-9Rに据えて聴いてみました。
ortofonのSPUにDECCAのMAROON、DENONのDL-103等で何枚かのディスクを試しましたが、勢いのある押出し感を伴った見晴らしの良い音が展開されて少し驚いている所です。

「拝啓山崎社長、新製品の TRX-EQ6 拝聴致しました。大変良い製品ですネ、でもですね、もう少し型番に見合った価格設定にされた方が宜しかったのではないですか?これを求めらるお客様方々にとってはこの製品の存在は全くの福音と言って何ら差支えないでしょうが、販売側の私達としては、この価格でこういうフォノイコライザーが手に入ると言う事は相当沢山販売しないと・・・」

まぁその辺は御社の誇った真空管型フォノイコライザーの名機、TRV-EQ3の後継機に期待しますと願望を書き添えさせて頂いて、この文章の〆と致します。

 

 

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