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今日のお仕事は、DENON モノラルカートリッジ DL-102を、ベルドリーム モノラル専用リード線BDML43を使ってテクニカシェル MG-10にお取り付け致しました。

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音出し確認後の針先確認もOKです。

 

DENON DL-102は、もう何十年にも渡って変更されずに造り続けられているモノラル再生の定番中の定番です。
ステレオ登場以前の設計なので、リードピンが信号とグランドの二本しか出てない姿に、一般的なステレオシェルに装着しようと思って一体どうすればよいのか、一度でも取り付けた経験のある方々はさぞ混乱した事でしょう。
私も初めての時に、随分頭ひねった記憶があります、何十年も前ですが。
それこそステレオ黎明期には皆さん腕に覚えもあって何でもかんでも半田でちょちょいのちょいとやっつけた物だから、超ベテラン世代から針交換で預かったDL-102で未だにこの仕様も見掛けますが、五十年前ならいざ知らず、半田さえ扱う方最近は滅多に見掛けなくなった昨今、例えそれが得意な方であっても、今更アナログカートリッジのリード線半田処理直結も如何なモノかと思うので、何年か前に片側をY字に落としたリード線をあるメーカー(←ベルドリームさん!)に囁いて作って貰いました。
作ってみると大変便利なアイテムで、1970年代には同じ目的の製品も何社から商われていた事もあり、それこそ予想を超えた出荷をしています。
ただ最近とみに取り付け時の事故が増えてきました。
本来アナログのリード線交換なぞ自己責任でと言いたいのですが、もう時代が違います。
それに歳をとれば誰でも気が付きますが、若い頃考えもしなかった手元の焦点が大変に怪しく、細かい作業が集中し難く難しくなって来て、以前は出来た筈の作業が容易にはこなせなくなってきます。
かく言う私も、先日キャブレターのジェットの番手が読み取れず、ゼンザブロニカのピントグラスを直覗きして精密なピントが出しきれなくなっている自分に驚愕したばかりです。
何言ってるか分からない向きに念の為に補足すると、昔の車はキャブレターと言う燃料気化器でエンジンにガソリンを送り、カメラは中判サイズにフィルムを巻いて手動でピント合わせて露出計使って適正探してると言う意味で、要するに私はこの時代にそんなものばかり身の周りに並べて触って生きているアナログレコード扱わせるにはお誂え向きの古い人間と言う事です。
また、せっかく手元が良く見えている筈の若い世代は今度、現代の日本では根本的に細かい工作的手作業にあまりに馴染みが有りません。
よってアナログ経験世代は一般論50代以上と想定し、CDの出荷がLPと逆転した1986年時点に15歳以下だった世代、即ち今年で46歳以下は自己所有的意味でのアナログ未経験世代と勝手に線を引かさせていただいた上で、手先焦点経験そのどれか一つでも不安を覚えた方は、アナログカートリッジのリード線装着は専門店にお任せ下さい。
特にDL-102は難しいので、ハッキリ申し上げて一般的には余程の経験者以外には自己装着はお勧め致しません、あくまでも私の個人的意見ですが。
ですからその際は是非とも近所の信頼出来るオーディオ専門店に是非ご相談下さい。
残念ながら物だけ立派に販売しながら満足にアナログカートリッジの装着も出来ない様な大型家電カメラ量販のオーディオコーナーしか見当たらず相談してもロクな応対受けられなかった際は (最近このパターンも本当に良く耳にして幻滅しますね、同じオーディオを販売する身として) 遠慮なくでんき堂スクェアまで御相談下さいませ。
お陰様で、日々日本中津々浦々の方々からの針の装着依頼をお受けしつつ、日々技術の研鑽に励む毎日ですので、リード線の装着は安心してお任せ下さいと言える程度の技量は保持出来ております。
TEL:0466-20-5223(お問い合わせはこちら)